防衛省技術研究本部「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」

    ゼミナー(119-10)報告

        6世代バージョン 日本は将来の戦闘機に対する技術計画の詳細を示す。

           (Aviationweek &  Space Technology 11月15日号)


           

日本の技術者は次の三世代の戦闘機に不可欠な機上における意思決定の必要性に関し,提案されたi3第六世代
の戦闘機にパイロットを含めることにした。
将来の戦闘機に対する予備開発を意図する技術の範囲の中で、人工インテリジェンスは取り残された。

この努力を先導する機関、即ち、防衛省技術研究本部の特定の設計についての論議はなかったが、ボーイング
F/A-18E/F(
スーパホーネット)の大きさの航空機を研究することが示された。

これまで、i3 技術面の獲得努力のみに向けられ、完全規模の開発は2030年においてF-2に代わる戦闘機の国産
を選んでも、その予算
化に至らず、2021年まで着手できないだろう。この時間枠は米空軍の次世代戦闘機に対
る情報の要求解除の時期と一致する。

   
 
アイ・スリー(i-3)戦闘機と呼ばれる第六世代の戦闘機に求められる能力
    アイ・スリー(i-3)とは、infomed,intelligent,instantaneousの三つのi を意味し、その具体的な内容は 1.クラウ
    ド・シューティング、 2.ハイ・パワー・レーダ、3.ステルス性、4.ハイ・パワー・スリム・エンジン、5..フライ・バイ・ライトの五つで
    、 このうち、2.ハイ・パワー・レーダ 3.スレルス性およ 4.ハイ・パワー・スリム・エンジンの三つが.アイ・スリー(i-3)
   戦闘機機の基本概念である。


i3レーダはガリュウーム窒素合成物トランジスタが成功した場合に、現在のシステムよりも遥かに強力である
。そのトランジスタの周りに配置した増幅器はガリューム砒素化合物に基
づき、国産の最先端型の戦闘機搭載
レーダの送信機電力を倍加し、その検出範囲も
20パーセント増大する。技本はアフターバナー無しの超巡航、
超音速飛行について考慮してな
い。

i3戦闘機を表すため発行された極めて低い解像度の概念図は必ずしも技本が心に描く設計を示してないが、その
形態の幾つかは現実的と考えられ、前方型胴体のステルス形状と尾翼のフィン
がないことが認められる。公示さ
れたこの図面は厳密に描かれてなく、略図以
上のものではない。

119および10日のゼミナーでそのi3戦闘機技術開発計画を述べた技術研究本部は航空機の重量および推力のよ
うな基本事項は運用側の要求によるため示さなかった、しかし
30..000ポンド付近の推力が現実的な数値であろう。

戦闘機が二つのエンジンを持ち、高推力/重量比の傾向に従うものとすると、スーパーホーネットの大きさあ
たりで出現することになろう。このタイプの空虚重量は約
14トン(31.000ポンド)で、現在の国産標準エンジンで
高い動力を与えることはできない。

エンジン・メーカの石川島播磨重工業(IHI)F-7 XP-1海上自衛隊の次期哨戒機に対するF7-10エンジン(アフタ
ーバーナを備えたターボファン・エンジン
)を独自開発し、そのインテグレーショ技術を取得し、およびF-2支
援戦闘機に対するジェネラルエレクトリック
F110エンジンの組立の経験で、必要な大きさのエンジンの製造技
術を有すること表わしている。

F-2用のF110エンジン(IHI/GE-F110)は29.000ポンドの推力を生じる。技本はドラグを減じるためにより直径の
小さいスリム・エンジンを求めているが、アフターバナー無しの超音速巡航飛行に
ついては考えてない。

 

高機動ステルス機技術システム・インテグレ−ショの研究

F-2支援戦闘機の後継機として、先端技術実証機(ATD-])[心神]が開発された。
平成19年度にフランスの電波暗室で反射特性試験を行った(モックアップのRCS試験模型)
平成21年度に本格的開発に着手
平成26年度に初飛行
平成27年度に飛行試験
平成28年度に開発完了
緒元:全長:14.17m、 全幅:9.03m、全高:4.51m 空虚重量 8トン

これとは別に、技本は第六世代のビジョンとして、将来の戦闘機のためのその技術計画の詳細に着手した、
即ち、少なくとも次の
30年にわたり戦闘機に不可欠な意思決定の必要に関するパイロットを含む第六世代の
戦闘機の国産技術を開発する。
技本は特定の設計について論じないが、ボーイングF/A-18E/F(スーパホーネット
)の大きさの航空機を研究することなろう。このクラスのエンジン推力は30.000ポンドで、高推力/重量比になる。

エンジンをスリムにするため、高温に耐える材料、単一結晶のタービン・ロータ・ブレード、およびステータ・
ブレードに対する炭素繊維のようなセラミック強化型マトリックス合成
物を研究している。関連する努力が進化
した燃焼を作り出すのに向けられる。エンジン中の高
温はまた効率を改善するが、主たる狙いは前面面積を減じる
ことにある。

この技術は任意のレベルの推力に対してエンジンの直径を
10パーセント以上細くでき、それでエンジンの前面面
積を
19パーセント以上減少できる。ATD-]の技術実証機は2014年に飛行し、この研究努力から得られたデータ
はどのような航空機にも貢献することに
なろう。

機体構造のステルス性について、コクピットをレーダ波から遮蔽するには、キャノピーに市販のプラズマ・ビデ
オ・スクリーンに用いられている材料を適用する。その材料は画像の
光を通しながら低い周波数の熱放射を阻止
する。キャノピー上で、パイロットの視界に対し
て光学的に透明で、他方、コクピットに入りおよび反射するレ
ーダ波を阻止する。
電磁エネルギーを通す人工構造のメタ材料は内部からの反射を防止するため二つの方法でレ
ドームに適用し、自己のレーダの動作周波数のみを透し、そのレーダが使用しない角度から
は完全に不透明であ
る。

 

技本はステルス標的の処理を主要な目標として、レーダ、受動型検出システム、赤外線カメラ、および外部源か
らのデータの統合を図ることになろう。
(]86命令セットを持つCPU ンテル・マイクロプロセッサ)i3を構築した
場合、赤外線カメラを持つかどうか明らかでない
が、別のi3技術、即ち、クラウドを通した射撃は艦船または地
上配備のミサイル部隊が各所に配置した
センサーからの標的データを用いる海軍の求める共同交戦に類似する。
戦艦は長い間それを行うことができたが、標的、標的評定装置および射撃装置が音速付近またはそれ以上の速度
で移動する場合、およびミサイルでない標的が予測不能な機動を行う
場合、標的の座標を定めるのは非常に困難で
ある。日本が対決する一つの挑戦は、
標的評定装置および射撃装置が進行中の同じ画像をコンピュータで計算する
ことである。そ
ためデータを高い率で共有する必要がある。

技本は2040年にi3システムの性能向上で、標的データを戦闘機に送るドローン(超高度遠隔操縦無人飛翔体)を計画
してい
る。それは急速に機動する戦闘機を見失なわない遊弋飛行(ロイター)を必要とする。
自主性を考えると、一つの段階はさらに、戦闘機からパイロットを排除することはその
開発を試みても極め困難で
てあると技本は判断した。無人戦闘機が空中戦闘の複雑および連続的に変化する条件を備えた範囲を必要とする人
工インテリジェンスを企図することさえ考慮さ
れてない。


別の重要な技術に入る直接的な研究は省略されたが、それが達成できないことについての議論はなかった。それら
はより軽量な構造材料、健全状態監視および飛行制御の付勢のような多く
の機能に対して電気を用いる動力システ
ムを含む。動力は技本のリスト上、最も注目すべき事
項の一つ、即ち、指向性エネルギー兵器に対して供給される
。特に重要なことは、赤外線ミサ
イルを混乱せるため用いる指向性赤外線カウンタ・メジャー(IRCM)機器の開発
である。この願望は機能不良を招くため制約されるが、その標的を破壊できる直接
エネルギー兵器の取付けに関す
る論議はなかった。この技術の中心はレーザ波および高エネルギ
ーのマイクロ波である。


航空機に対する直接型エネルギー兵器の使用は今回のゼミナーでは取り上げられなかった。さらに、日本は能動式
の電子走査型アレイを備えたレーダを兵器として用いることは考えて
いない。
一つの問題は直接型エネルギー兵器を何処に取付けるかである。それは超音波戦闘機の前面面積は小さく、および
その大部分がレーダおよびキャノピーで占められるからである。
一の可能性は胴体中央部下のスライト・バルジ、
または各翼下である。

技本は2030年、2040年にインテル・コア( i3)(]86命令セットを持つCPU 用マイクロプロセッサ)の採用を考えてい
るが、戦闘機技術実証機
ATD-X「心神」を作るため2020年代に別の準備を行った。ATD-Xはなお設計中であるが
、その一般的配列は
3年以上にわたり知られている。2014年の初飛行を目指してその製造は2011年また2012年に始
まるだろう。
ATD-Xは技術の範囲を試験する。しかし技術者がこの計画から得る重要な経験は機体構造とステルス
組み合わせ、および高性能で機動可能な航空機エンジンにある。
 

ステルス技術は既に日本で完全に開発され、レーダの断面測定のためフランスに送られた。この機体の離陸重量は
9
トンで、アルミニウム構造を多量に用いているのでその計数を達成するのは容易ではない。 開発外の一つに対し
、多量なチタニウムと炭素繊維の合成物
は理に合わないと考えられた。もう一つの妥協は、狭い角度範囲にわたり
空気取入れ部か
らエンジン面の見通し線を可能にすることである。ダクトを大きく曲げるとレーダ波がその経路上
でエンジン面に少なくとも一度は当たるが、その曲がって構造により航空機の前
部断面とドラグを大きく増大する
。エンジンの空気取入れ部からのレーダ波の反射を防止
するためS字形構造が有効である。

技本は無線波を減衰するレーダー・ブロッカー羽部をダクトに取付けるかどうか論議しなかったが、三菱重工は既
に2
0052006年にレーダ・ブロッカー(レーダ波吸収構造体)を開発し、そのような装置を「心神」採用した。


                    
                                 レーダ・ブロッカー

ATD-Xの性能詳細も示されなかった。しかし計画の形は明らかに超音速飛行のため設計されている。しかし制限さ
れた
11.000ポンドで、二基のアフタバーナーを備えたたーボーファンの推力/重量比約8のXF--1エンジンからの
推力
(合計約10の推力/重量比)、および球根状の前方型胴体は超音速巡航飛行のいかなる可能性も排除している。

                                  終り

 

参考図(Aviationweek &  Space Technology)

       



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