夜間戦闘機「月光11型」 後期量産型(J1N1‐S)

   
  
緒元:乗員:2名、全長:12.8m、全備重量:6,900kg、エンジン:栄21型×2、(エンジン出力、1050HP(離昇出力)、最大速度:510km/h、
     航続距離:2,500km, 武装:20mm機銃×2〜4、搭載爆弾:30kg〜250kg×2
 
 昭和13年、爆撃機の長距離援護を主任務とする双発戦闘機の開発が始まり、中島飛行機が試作した「13試双発陸上戦闘機」はエンジンはゼロ戦と同じ1,000馬力の栄型を2基を搭載し、昭和16年の試作1号機以来、高速性能、航続力、高い攻撃力等を備え、各種の努力が続けられたが、単発戦闘機と対等に戦える空戦目標が達成できず、昭和17年に「2式陸上偵察機」の名称で偵察機としての採用が決定された。
 
 この機が注目を浴びたのは昭和18年5月、ラバウル基地に20mm機銃を試験的に追加装備した2機が送られてきて、初陣で空飛ぶ要塞「B-17」を続けて2機撃墜してからである。胴体上下に20mm機銃を30度の斜め角度で前方に向って取付けられ、斜め銃と呼ばれた。
 
 この形式のものが「月光11型」の名称で日本海軍初の夜間戦闘機として正式に採用され、多くの2式陸上偵察機が「月光」に改造され、「月光」は19年10月までに470機以上が生産された。南方各地でB-17やB-24爆撃機の撃墜、および日本本土上空での超空の要塞「B-29」の邀撃に活躍したが、高高度を飛来するB-29には20mmの斜め銃の威力は必ずしも十分ではなかった。

       
                              斜め銃座の点検扉を開けた状態
      

                    



 
                             斜め銃の装着状態
                   
 


    


      砲塔型後部遠隔操作銃座を設けた試作型(20mm機関砲連装二段)
  
                   


    

       超空の要塞B-29の攻撃態勢 

        


尾翼のマーク
∃D-176,は第302海軍航空隊第7分隊所属機(昭和20年初夏、厚木基地)。昭和20年5月26日、関東上空で高度一万メートルで飛来する「超空の要塞B-29」を2機を撃墜した(武者中尉と山下飛行兵長搭乗)機体である∃D-189は302航空隊所属機。

  

     探照燈の照射に呼応して超空の要塞B-29を攻撃する「月光」

 

  

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