ンターネット航空資料館開館のご挨拶


                                                                          館長 松下 薫
                                                                           平成14年3月佳日

  米国のスミソニアン航空宇宙博物館やサンディエゴ航空博物館をはじめ米国各州の航空博物館や軍事基地には第二次大戦(太平洋戦争)中に活躍した各種の航空機が展示されています。そしてその中に日本陸海軍の航空機も見られます。れは戦 時中に鹵獲および捕獲されたものほか、敗戦後に性能検査および記録のため多数の陸海名機が保存、展示されていのです。さらには、 1998年9月1日の「カーチスP-40 トマホーク」 対 「零戦52型61-120」とのデモ・フライトなども行なわれました。

終戦後 搬入を指定され多数の機種の整備が行なわれ、横須賀から空母や輸送艦で積み出されました。空母「ハーンズ」には45機の日本軍の軍用機が積み込まれ、ミドルタウンの飛行試験センターに搬入され、各種の評価テスト実施後、一部をスミソニアン航空宇宙博物館展示候補機に、そしてその他多数が各州の航空博物館や陸海軍基地に戦勝戦利品として配分されました。その多くが屋外に展示されたまま放置され、一部は野ざらし状態で、あるいはまた倉庫の隅に積まれた状態で放置されているようで、細部の状況は不明です。




2002年12月15日,飛行100年を記念してスミソニアン国家航空宇宙博物館の別館として、世界最大の航空宇宙博物館[StevF.Advar-Hazy Center]
がに開館、ワシントンのダレス国際空港内に建設されました。 ひるがえって我が国では海自鹿屋航空基地および空自浜松基地、南紀白浜「ゼロ・パーク」、名古屋空港「宇宙館」、三菱重工名古屋小牧工場御殿場の「HARADAコレクション」、そして靖国神社の遊就館にゼロ戦が完成機として展示保存され、また愛知県御荘町「紫電(改)展示舘」には国内唯一の紫電(改)が展示され、空自入間基地 特攻機「桜花」が展示ているに過ぎず、多数の陸海軍機を一堂に会して展示する航空博物館等の建設は夢のまた夢の状況にあります。またそれを企画する国内事情でもありません。 インターネット上には陸海軍機を紹介する多くのサイトがあり、それぞれユニークで特徴あるプレゼンテー
ションを行なっています。特に、ゼロ戦や紫電(改)などに対する日本人の関心と追憶の情は消えることがないようです。このことは後世への伝承、並びに我が国の航空産業史の記録上、極めて重要なことと思います。ここに、海軍飛行予科練習生(予科錬)第15期生とし、上海中学の3年生から霞ケ浦航空隊に入隊し、偵察要員として防府海軍通信学校に入校を命じられ、6ケ月の基本課程を修了し初等科の一重櫻のマークを付けた飛行兵長として大村海軍航空隊第352航空隊に配属されそこで終戦を迎えた筆者として、先ずは大村航空基地に所在し、および飛来した海軍機を手がかりに、斬新な発想
「ネット航空資料」を構築すべく企画しました。またこれら海軍機と闘った米英軍の代表的な機種も巻末に掲載しました。軍用機の性能、装備とその防護性は一国の文化、国民性、資材、科学技術(特に、強力なエンジンの開発、レーダー、敵味方識別装置およびVHF無線機装備等)によりそれぞれ独特な発想で設計されたものであり、その特徴を比較するためであります。




参考:国内における旧軍用機の展示の状況
 (完成機体のみ)

茨城県 桜花公園 桜花11型(レプリカ)、 埼玉県 航空自衛隊入間基地 桜花11型、 靖国神社遊就館 ゼロ戦52型、 彗星1型 、桜花11型(レプリカ)、 上野公園国立科学博物館(新館) ゼロ戦21型改造複座機、 川口湖自動車博物館 ゼロ戦21型、ゼロ戦52型、九三式中間練習機(レプリカ)、 航空自衛隊浜松基地広報館エアパーク ゼロ戦52型、 三菱工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧工場資料室 局地戦闘機「秋水」、 宝塚聖天大光明殿/英霊礼拝堂 ゼロ戦52型(レプリカ)、 航空自衛隊岐阜基地 ゼロ式水上偵察機11型、 呉市海事歴史科学館・大和ミュジアム ゼロ戦62型、米海兵隊/海上自衛隊岩国航空基地、 ゼロ戦21型(レプリカ)、  愛媛県 紫電改展示館 紫電改21型、 福岡県太刀洗平記館中島九七式戦闘機、海上自衛隊鹿屋航空基地史料館 ゼロ戦52型、二式飛行艇12型、 知覧特攻平和
会館 三式戦闘機U改「飛燕」、四式戦闘機甲型「疾風」、一式戦闘機「隼」(レプリカ)

展示の例

 

                                     

                                    


   

inserted by FC2 system